MCC C 言語部内講習会 第 2 回
この講座の対象の人
この後の内容をチラ見して内容を知っていそうだと判断できる人は次回以降の参加でも大丈夫です!
ポインタ編
誰もが苦しむところです。覚悟してください。ポインタをマスターしたら神になれます。はじめはちょっとだけ座学です。
メモリ
ここではメモリについてちょっとだけ学びます。ハード的な仕組みは触れません。ソフト的な概念のみです。ハード的な部分は A 科の 2 年後期の AS コースの計算機アーキテクチャの授業で習います。
bit
コンピューターでは 2 進数でデータを扱います。10 進数と 2 進数の変換は高校で習ったと思います。
bit(ビット)とは 0 か 1 を表す最小単位です。0101 は 4bit, 111000 は 6bit, 00110011 は 8bit です。
byte
基本的なコンピューターでは数値を 8bit ずつ扱います。8bit 集まったものを1byte(バイト)と呼びます。
1byte は 8bit なので 10 進数で 0 ~ 255 までの数値を表すことが可能です。
byte 数が大きくなると略したりします。
1024byte で 1Kbyte(キロバイト)、1024Kbyte は 1Mbyte(メガバイト)、1024Mbyte で 1Gbyte(ギガバイト)、1024Gbyte で 1Tbyte(テラ)という風に略します。
接頭語 | 記号 | byte |
---|
クエタ quetta | Q | 1Qbyte |
ロナ ronna | R | 1Rbyte |
ヨタ yotta | Y | 1Ybyte |
ゼタ zetta | Z | 1Zbyte |
エクサ exa | E | 1Ebyte |
ペタ peta | P | 1Pbyte |
テラ tera | T | 1Tbyte |
ギガ giga | G | 1Gbyte |
メガ mega | M | 1Mbyte |
キロ kiro | K | 1Kbyte |
メモリは並んだ byte
メモリには byte が一列に並んでいます。4Gbyte と言われたら、約 43 億個の 1byte が並んでいると考えてください。
先頭から順に 1byte ずつ番号が振られています。これがメモリアドレスです。
C 言語でメモリアドレスを確認
C 言語で変数のアドレスを確認してみましょう。
アドレスを確認するのにポインタ変数というものを使います。
ポインタ変数は変数の前に*(アスタリスク)を付けます。変数のアドレスは変数名の前に&(アンド)をつけることで取得できます。
printf でフォーマット指定子がそれぞれ %d, %p, %u になっていることに注意してください。
フォーマット指定子についてはそのうち触れます。
コンパイルの警告は無視して大丈夫です。
a の中身とそのアドレスが 16 進数で表示されたと思います。何回か実行してみましょう。毎回値が変わると思います。
続いて配列のアドレスを確認します。
int *p = a; で &a ではなく a であることに注意してください。
a と a[0] のアドレスが一致することがわかると思います。また、a[0]~ a[4]まで、アドレスが 4 ずつ増えてるのがわかると思います。
これは a のアドレス自体は a[0] のアドレスを指しており、a[0]~ a[4]はメモリ上で 32bit(4byte)ずつ連続して存在しているからです。
p に a のアドレスを代入するとき、&が必要ないことから次のようなプログラムが作れることに気がつく人がいると思います。
配列みたいに動作したと思います。
しかし ポインタ=配列 の関係ではありません。勘違いしないでください。
配列は[]演算子でアドレスにインデックス番号の値だけ足して要素にアクセスします。
そのため、似たような使い方でポインタにもできるだけです。
Swap 関数(参照渡し)
2 つの変数の数値を入れ替える Swap 関数を実装しましょう。
入れ替わりません。x,y,a,b のアドレスを確認してみましょう。
x と y のアドレスは swap 関数を呼び出す前と後で変わらないと思います。a と b のアドレスは x と y のアドレスと異なっていると思います。このことから a,b は x,y 自体を触れていないことがわかります。
swap 関数で x,y を直接触るには x,y の数値を swap に渡すのではなく、x,y のアドレスを渡しましょう。swap 関数内で、アドレスから数値を触るには*を変数名の前につけます。アドレスから数値をさわれれば、取得、代入ができます。
アスタリスクの位置に注意して実装しましょう。
x,y のアドレスを渡すことで 2 つの変数の数値を入れ替える Swap 関数が完成しました。
ポインタ実践
Segmentation fault (core dumped)
アドレスの確認を他の型でも確認してみましょう
ポインタ変数はインクリメントが使えます。